燃料電池とは
水素と酸素が化合するときに出るエネルギーをそのまま電気に変える電池です。二酸化炭素など温室効果ガスの排出がありません。アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体高分子型燃料電池などがあります。

燃料電池の歴史
燃料電池は、1801年、イギリスのデービー博士によって原理を発見され、1839年にイギリスのグローブによって燃料電池の実験に成功しました。このときは蒸気機関の実用化が進んだ時代で、燃料電池の実用化は遅れてしまいました。
燃料電池の仕組み
アルカリ型燃料電池
燃料電池は、水の電気分解の原理と逆で、水素と酸素を反応させて電気と熱を同時に取り出します。水の電気分解は、水+電子=水素+水酸化イオンとなります。主に水酸化ナトリウムなどの電解質を加えて分解します。燃料電池では、水酸化カリウムを電解質に使用します。
リン酸型燃料電池
作動温度が150℃〜200℃の工業用、業務用コージェネレーションに使用されています。電解質にリン酸を使用します。大型燃料電池のFCG-1計画、小型燃料電池のTARGET計画を経て、1992年から病院やホテルなどで商品化されています。
溶融炭酸塩型燃料電池
作動温度が650℃〜700℃の、大規模のコージェネレーション用、分散配置電気事業用、離島発電用に使用されています。
固体高分子型燃料電池
作動温度が常温〜90℃の、家庭用コージェネレーション用、自動車用、モバイル機器用に用いられます。フッ素樹脂系イオン交換膜を電解質に使用しています。小型化ができて、大量生産に向いています。現在は実用間近な段階です。
燃料電池の長所・短所
燃料電池の良いところは、水素と酸素があれば作れるところです。日本でも輸入に頼らずに資源を確保することができます。石油や石炭のように燃料を燃やす必要がないので、都市部でも発電所を作ることができます。短所はコストが高いことです。リン酸型では、1kwあたり、40万円もかかります。固体高分子型燃料電池は、自動車に搭載される予定で、家庭でも普及されるくらいのコストダウンが期待されています。
燃料電池の利用方法
燃料電池の自動車
クリーンエネルギー車の一つで、排気ガスを出さず、水が出る車です。燃料電池は、電極と電解質膜を何枚も重ね、ひとつにしています。この電極と電解質膜をセルと言い、ひとつにしたものを燃料電池スタックと言います。燃料電池の自動車は、小型軽量化され、騒音が減少されます。現在、水素をどのように積むかの研究が進められています。また、水素を充電するガソリンスタンドのような設備も必要です。2002年にトヨタが燃料電池の自動車「FCHV(Fuel Cell Hybrid Vehicle)」を日本とアメリカで限定販売しました。
スペースシャトル
燃料電池の実用化は、スペースシャトルにありました。ジェミニ計画、アポロ計画があり、1930年代に開発が行われ、1950年代から実用化されました。ジェミニ5号では高分子型燃料電池が搭載され、アポロではアルカリ型の燃料電池が搭載されました。現在の固体高分子型燃料電池では、フッ素樹脂系イオン交換膜が使用されていますが、この時の固体高分子型は開発が中止されてしまいました。
パソコン
燃料電池を使用することで、更に小型化、軽量化が進むと考えられています。
家庭用燃料電池
家庭用の小型燃料電池とマイクロコージェネレーションシステムとの併用で、エネルギー効率が最大80%になると考えられています。
エネルギーシフト
これまで、エネルギーは、大規模で集中型のエネルギーが求められてきました。現在は、小型、分散化することが求められています。偏った地域に発電所を作っていると、何かあったときの対応に遅れるだけでなく、離れた地域の送電のコストや、資源を運ぶためのエネルギーやコストもかかるからです。これをエネルギーシフトと言います。化石エネルギーから自然エネルギーへシフトするだけでなく、電気は、自分たちで作り、自由に選べるようにならなければなりません。
燃料電池の団体
燃料電池開発情報センター(FCDIC)
Fuel Cell Development Information Centerの略です。燃料電池の技術開発、導入、普及促進を目的とした、1986年に設立された団体です。会報の発行、研究会、シンポジウムの開催などを行っています。219社の正会員、65名の学術会員、特許庁などの特別会員で構成されています。
燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)
Fuel Cell Commercialization Conference of Japanの略です。燃料電池の実用化と普及に向けて、問題提起された課題を検討し、解決する団体です。130社のメンバーがいます。
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